いわみ体験に出会うまで
私の肩書を一言で表すと社会人学生です。平日は広島県の中小企業で営業職をして、土曜日は大学院に通っています。
いわみ体験を知ることになったのは、2024年8月頃のある出来事がきっかけでした。2024年10月上旬に職場を退職することが決まり時間に余裕ができた私は、漠然と何か今しかできないことをやりたいと考えていました。旅行?バイトでもしようか…そんな時にぼんやりと広島のタウン情報誌を眺めていた時、いわみ留学の紹介がありました。どれどれ、2週間から滞在可能ではないか~。これはと思いいわみ留学のnoteを確認します。その時に受け入れを実施しているのが、この度受け入れていただくことになった弥栄町だったのです。
弥栄町の紹介ページを確認しているうちに、私の中で考えていたことが点と点でつながり弥栄町に行ってみたいという思いがどんどん高まるのでした。
まず、いわみ留学に応募した9月頃、私の中で農業が非常にHotでした。大学院の授業で農業分野のベンチャー企業の調査及びプレゼンテーションを行い、日本の農業課題や食糧問題に関して考える機会となり実際の農業の現場を見てみたいと考えていました。弥栄町ではオーガニックビレッジとして有機農業に力を入れていることを知り、有機農業に関する考え方や日本の農業の後継者不足に対するアプローチについて伺いたいと思いました。
また、人口1,000人の町で積極的な活動をされている弥栄のみらい創造会議のビジョン、そして住民のビジョンを弥栄町に行って感じてみたいと思いました。同じ問題に対して私ならどう考えるか。そして実際に住んでみることで感じることで自分自身の視野を広がるのではないかと感じました。
ホームページを一通り見たときに、これらの私の興味関心を弥栄町で知見として得ることができるのではないかと、ぼんやりと考えていたわたしのやるべきことがスッと決まったような感覚がありました。
弥栄町ではシェアハウスに滞在することになっており、滞在中の宿の心配もなかったため即行動に移すことができました。
参加するまで
8月の下旬にホームページよりエントリー、9月の上旬に面接をしました。1週間後には合格の連絡をいただき、晴れて弥栄町に行けることになりました!
そこから弥栄町に行くまで1か月間の期間がありましたが、その短くて長い1か月間もの間に楽しみすぎて何度もホームページを見に行きます。当日は観光がてら浜田で昼食を摂ろう、お土産は何を買おうといった妄想にふけります。頭でいろいろ考えることは好きなのですが、手が動かないんです。荷造りは前日までしていませんでした。かの有名な作品で主人公は「少しの小銭と明日のパンツさえあればいい」という言葉を残しています。こんな生き方素敵じゃないですか。私は前日なって昨日までの自分を恨みながら荷造りをするのでした。
ついに当日、愛車のバイクと大荷物と一緒に弥栄町に向かいます。
弥栄町に対するファーストインプレッション
“ワインディングロードが最高すぎます!”
弥栄町での生活
私は仕事の時間は半日に調整してもらったため午後は自由に使える時間でした。そのため、弥栄町内にある飲食店(陽気な狩人・サンカクヤ)でランチをしたり、浜田まで出たりしていました。なんてったって心強い相棒がいるのですから。バイクです。ただし、雨の日は撃沈です。そんな日はいただいたお野菜を作り置きしたり、本を読んだりと…晴耕雨読とはまさにこのことだなと感じながら生活をしていました。
また、滞在期間中は何度か食事会に誘っていただき、弥栄に住む方と交流する機会をいただきました。仕事の時間、地域の時間、プライベートの時間を両立できた生活ができたと感じています。
景色
晴れ晴れした日は畑の緑と青い空が最高に映えます。どうですかこの景色、バイクをぶっ飛ばしたくなりますよね♪
一方で夜はこのあたり、街灯が少なくて真っ暗なんです。
そのため夜道を歩くなら懐中電灯(シェアハウスにあります。)、車・バイクならハイビーム必須です。カーブを曲がった先に動物さんがコンニチワ!なんてことも。でも大丈夫です。熊には遭遇していません。
ただ、真っ暗なだけあって、空を見上げると星がきれいすぎます。あれがデネブ、アルタイル、ベガ…と言いたいところなんですが、見える星が多すぎて、えっと一等星どれだ!?と混乱するほどに…
イベント
滞在期間中にあった一大イベント。それは『秘境奥島根やさかウルトラマラニックin浜田 2024』です。マラニックとはマラソンとピクニックを掛け合わせた造語だそうです。65kmもしくは100kmのコースが用意されていて、これを300人もの人がエントリーしていました。弥栄の一大イベントです。
私はそのイベントのエイドステーションでランナーの方に食べ物や飲み物の案内をしました。地域のほどんどの人が参加しているんじゃないかというレベルで盛り上がっています。
エイドステーションでは同じ集落に住むおばあちゃんたちと一緒にランナーをもてなします。おばあちゃんたちから、あんたも食べんさい!とランナー以上のもてなしを受けたような…
いわみ体験を経て
島根県は何度も旅行やツーリングで行ったことがあるのですが、弥栄は初めての私にとって弥栄の一番の魅力は人だと感じました。挑戦する人、それを受け入れる人と寛大な心を持ち合わせた素敵な方と出会うことができました。
また、私の住む広島県で人口流出が嘆かれているように、弥栄でも人口減少の問題があり実際に弥栄支所でそれらの問題に対するアプローチを伺うことができました。そこで私は広島や島根といった県単位ではなく中国地方全体で人が増え豊かなまちづくりをする方法はないか考えたいと思いました。
この体験を広島に持ち帰り、弥栄広島の人に伝える活動をしたいと思います。これらの気づきは弥栄で過ごした日々があったからこそ。いわみ留学という制度で弥栄に行くことができたのは自分の人生にとって財産になると思いました。